TOP PAGE
BUY TICKET

BUY TICKET

当日券(販売期間:6月16日~9月2日)大人1,600円
中人(中高大学生)1,400円
小人(小学生)900円

チケット購入はこちらから

※ボタンをクリックすると各種プレイガイド選択画面へと移動します。

ペアチケット

当日券(販売期間:6月16日0:00~9月2日23:59)大人ペア料金3,000円

チケット購入はこちらから

※ボタンをクリックすると各種プレイガイド選択画面へと移動します。

※本券で大人2名様までの入場が可能です。

ファミリーチケット

当日券(販売期間:6月16日0:00~9月2日23:59)大人・小人ペア料金2,300円

チケット購入はこちらから

※ボタンをクリックすると各種プレイガイド選択画面へと移動します。

※本券で大人1名と小人(小学生)1名、計2名様までの入場が可能です。

※未就学児は無料ですが、単独入場はご遠慮下さい。

※会期中1枚につき1名様1回限り有効。

※チケットの変更・払戻し・再発行不可。

※再入場は不可となります。

都市は情報で〈多孔化〉する

鈴木謙介

都市についての研究は、それこそ都市の誕生と同じくらいの歴史を持つ。

私が専門とする社会学の分野でも、たとえば人間が自発的に築き上げたはずの都市に、単なる物理的な建築物の配置を超えた「社会的構造」が見いだされることがたびたび指摘されてきた。
中心市街地から外側に向けて都市が拡大するとともに、中心部で働くホワイトカラー層が郊外にスプロールする一方で、中心にスラムのような貧困地域が発生するといった例がそうだ。この観点からすると都市はもともと、人為で生み出されたにもかかわらず人々の意志を超える「社会」であり、「アート」だったということができる。

一方、そうした普遍的な都市のあり方も、情報技術の登場とともに変化しつつある。
特に私が注目しているのが、「情報」が物理的な空間の意味を書き換えたり、その場の意味を無効化したりしてしまうような現象だ。
たとえば舞台を観劇するとき、その空間は物語の意味に包まれており、悲劇的な場面で爆笑することは許されない。にも関わらずスマートフォンの電源をオンにしているだけで、その空間に「ちょっとこれ見てウケるんだけど!」というメッセージが侵入してくる可能性が生じる。
恋人とのデートでふたりきりの時間を楽しみたいのに、前日に仕事先へ送った資料のミスが気になって、確認の連絡をしてしまう。こうした「場所の意味や文脈」が、情報通信技術のおかげで別の文脈と混ざり合い、混乱する例が、私たちの周囲にあふれるようになっている。

私はこうした現象を、「空間の〈多孔化〉」と呼んでいる。
物理的な空間を覆う意味の殻に無数の穴が開いていて、そこを情報が出入りすることで、その場所の意味が混乱したり台なしになったりするという現象だ。 多くの場合こうした現象は、ネガティブな、たとえばマナーに関する問題として取り上げられる。
だが必ずしもネガティブな面ばかりではないというのが私の考えだ。確かに空間が〈多孔化〉することで、周囲の他者とトラブルになることもある。しかしながら〈多孔化〉をうまく利用すれば、それまでになかった文脈が、情報を介して生み出されることもあるのだ。

その詳細は拙著『ウェブ社会のゆくえ』に書いたのでそちらを参照して欲しいが、たとえばアニメの舞台になった場所が観光地化する「聖地巡礼」などの現象が、そのような例にあたる。そしてNAKEDによるプロジェクションマッピングなどの企画も、実は「〈多孔化〉を利用した都市のハッキング」であると、私は考えている。
東京駅という場所がある。そこには鉄道開発という日本の近代の歴史があり、日本近代建築としての評価があり、東西の鉄道のターミナルという機能がある。そうした複雑に絡み合う意味を、私たちはふだん、部分的にしか受け取っていない。あるときは建築物として、あるときは観光名所として、あるときは駅として、東京駅を利用するのである。
そのような場所に、映像を投影する。映像には、その場所の複雑な意味が、表現へと昇華されて結実している。結果的にプロジェクションマッピングは、単なる野外空間エンターテイメントではなく、「東京駅」の複雑な意味を統合し、その場を訪れる人にとっての空間の経験や意味を上書きしてしまうのである。

プロジェクションマッピングが特別だと言いたいわけではない。むしろ私たちの周囲には、こうした「場所の意味を上書きする」ような都市型イベントが増えつつある。ハロウィンの仮装をして街に繰り出すのも、都市型マラソンで普段見慣れた街をコースにして走るのも、『Pokémon GO』を通して街中のスポットを発見するのも、〈多孔化〉した社会における、都市のハッキングだと言えるだろう。私たちが体感すべきなのは、そうしたハッキングを通じて浮かび上がる、キャンバスとしての都市なのである。

鈴木謙介

すずきけんすけ

1976年福岡県生まれ。関西学院大学准教授。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター客員研究員。 専攻は理論社会学。2002年の『暴走するインターネット』以来、ネット、ケータイなど、情報化社会の最新の事例研究と、政治哲学を中心とした理論的研究を架橋させながら、独自の社会理論を展開している。

CASE STUDIES

人の営為の集積が“都市”であるとき、我々の“LIFE”はどのようになっていくのか。
本展は、そうした「私たちそのものへのあり方」への問いかけでもあります。

トップに戻る